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昇給

「物価は上がるは、消費税は上がるはで、先行き不安ですよ。ったく、給料はちっとも上がる見通しがないってのに」
てな具合の映像が最近ずいぶん流れております。
ロケ地はだいたい新橋の汽車ぽっぽ広場。
(世のお父さんたちが嘆く姿を繰り返し流すマスコミは「不幸大国」日本を盛り上げたいのでしょうか?
つい1年ほど前の選挙で「日本はインフレにする!」という宰相候補に何の文句も言わなかったくせに。
実際インフレになったら、物価上昇と言い換えるんだから始末が悪いです)


さて、この先、みんなの給料は上がるでしょうか?
即答ですが「上がります」!
私は経済学者でもなければ評論家でもありません。
でも、給料についてはそこそこ詳しい方だと思います。
加えて、自分なりに世の中の方向を見る感度はある方だと思います。
で、端折って見解を言わせてもらえれば、みんなの給料は上がるよ。
(すごく簡単に言えば、インフレって給与の上昇のことでしょ!
あとは、同じ意見の識者に聞いてください)


一方、平均所得が404万円とか、そのうち、非正規雇用については170万円とかそういう報道もあって、悪いムードが漂いました。
「やっぱな……もう、オレたちの給料上がんねえし」みたいな。
「ずっと下がりっ放しだし。老人多いし。年金上がるし。消費税上がるし。むりっ」みたいな。
そんな感じになってるのが、よくないと思っておるんです。


そもそも給料がどのように決定されるのかを考えないといけません。
思わず図を作っちゃいましたよ。

給与の構造KK

このようにですね、会社というのは自分が支払える以上にあなたに給料を払うことはできないのです。
そりゃそうですよね。儲かってないんだから払えない。
ところが、儲かってるからって払ってくれるとは限らないし、実際払わない。
で、意外なことに働いているあなたも文句を言わなかったりする。
つまり、あなたの給与はあなたが決めている。


ちょっと話が飛んだ感じなで、別の整理の仕方をしましょう。
会社が作っている評価制度なんて所詮みんなを納得させる道具に過ぎません。
公平性だのなんだのとゴタクを並べても、結局はあなたが納得する水準に給料を落着させる装置なんです。
もしですよ、あなたの納得できる半分の給与しか会社が払わない(「払えない」ではない)と言ってきたらどうします?
辞めるんじゃないかな。たぶん。でしょ?
だから、会社はさすがにあなたが得られると期待している給与の半分を提示するってことはしません(これ、理論上の話ね。いきなり給料を半分にしたら労基署が黙ってないとか、10%以上の減給はできないはずとか、そういうのはやめておいてください)。


で、あなたが得られると期待している給与額はどうやって決まりました?
もしかして、会社が決めてませんか?
知らず知らずのうちに「私はだいたいこんな稼ぎ」って思い込んでませんか?
歴史的に給与額の安い業界というのが存在します。
言いにくいけど(言っちゃうんだけど)、旅行業界、流通業界ね。典型例です。
ここにもたくさん優秀な人がいますが、ずいぶん安い給料で納得しています。
それが悪いとは言いません。
たとえば、旅行業界は競争が厳しいですし、あまり儲かっていない。
だから会社としての支払能力が低い=だから給料が安い。これは仕方ないですね。
でも、それが果たしてあなたの市場価値かというと、そうじゃないかもしれないわけです。


話が趣旨からズレました。軌道修正しましょう。
要は、あなたの給与は実はあなたが決めている。
会社に支払能力がある=儲かっている(いま、会社は結構儲かってますよ)のに、あなたは給料が上がらないことに納得してしまっている。
それはダメです。(経営には好都合です)
長いことデフレが続いて、みんなは給料が上がることを忘れてしまった。
っていうか、それぞれの能力を「売り込む」ことを忘れてしまっています。
「オレはこれだけ稼いで、会社に貢献してる」「オレの売上上昇は年率20%以上だ!」「だから給料を上げてくれ!」
そう言えばいいんです。
えっ、そんなに活躍していない?
いやいや大丈夫。そんなもの、言ったもの勝ちなんですよ。黙っていたら損をするんです。
「私は目には見えない貢献をしている」「地味かもしれないが、人知れずコツコツと実績を積んでいる」
見えなくて、人知れずの貢献を誰がわかります? わからないんだからドンドン主張すればいい。
主張しているうちに、自分が役に立っている部分が見えてくることもありますよ。
つまり、自分で主張すべきポイントを探して、会社にぶつけていくべきなんです。


そんなことで、給料は「上がる」ものではなく「上げる」ものなんだということで今日は終えておきます。
次回、もしかしたら、昇給を獲得するコツを例示しちゃうかもしれません。
(しないかもしれません)