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なぜいまブログか?

なんでブログでACSのことを書き始めたのか?
それは、最近、ACSの物件を購入いただくお客様が色々とお調べになって、なるほど鎌田という人間が経営しているんだなと。
どんな考え方なのか知りたいというお話をいただき始めたことが大きいのです。

当初、ACSでリノベーションマンションを手がけることにした時、この業を投資と位置付けていました。
(間違った考え方ではありませんが、本質を射抜いてはいませんでした)
いまは小売業だと考えています。
したがって、お客様の声を率直に聞かなくてはいけませんし、また、供給者としてどんな考えを持っているのかについても積極的に表明する必要があります。

前回・前々回と、3/11に絡めて少し情緒的に書き過ぎました。もうすこし、現実的で具体的な事業上の「反省」や「改善」「気付き」について書きたいと思います。
その上でもう一度だけ、3/11の話に戻らせてもらいます。

2011年当時、昭和40年代、50年代に建てられたマンションをリノベーションして再販していました。そこに震災がやってきた。それでずいぶんと手痛い損失を被ったのですが、そこで角度の異なる学習をしたのです。

ひとつには、当然のことかもしれませんが、現在の耐震基準を満たしていない物件は、いくら安い価格で提供できたとしても再販対象とすべきではないということでした。
いい格好するつもりはないのですが、これは単に従来の耐震基準で建てられた物件で損をしたからではないのです。
そうではなくて、自分たちが提供している価値はなんだろうと考えた時に、やはり安心して住めるということを除外するわけにはいかないからです。
あの震災を契機に、ACSでは耐震性について厳格なルールを運用しています。旧来の耐震基準で建てられたマンションは原則として手がけないことにしました。(耐震診断を受け耐震性が確認できている場合は例外的に取り扱い対象としています)

そして、もう一つの気付きは、その後の戦略に影響を与えることになったわけですが、漠然と購入者を見るのではなく、どんな方が買われたのかを注意深く見るということです。
それまでは、恥ずかしながら、お客様を真剣に見ようとはしていませんでした。どんな方が買われたのか形式的にアンケートを収集するといった、さも顧客を知ろうとするかのような表面的な態度だけはありました。でも、本当にお客様の実態に迫ろうなどとはしていなかった。

ところが、あの震災で、どんな方が買ってくれるだろうかと願うような日々を過ごしました。どんな方がどのように暮らすのかを真剣に考えるようになりました。これまた、恥ずかしながら、どんなお客様が買ってくれるか表面的には仮説立てもしていたのですが、それも上辺だけの誰でも考え付くような中身でした。
いま、ACSでは1年前に物件をご購入いただいたお客様への直接ヒアリングを行っています。定期的に実際のお客様の暮らしを直接見せていただき、意見を伺うことで商品開発が具体的に変化していきました。