忘れる技術 | 丸の内で働く社長のフロク Powered by アメブロ

忘れる技術

さて、8月が終わり9月になりました。
今年の8月は(私見ですが)、なんだか例年とは違って、上旬までやけに暑く、ところが下旬になっていきなり秋のようになり、連日太陽を見ることもないままでした。
子供たちも夏休みを惜しんでさあ最後のプールだと勇んで出掛けることもできなかったはず。
じわじわと気温が下がってくれれば「秋の訪れ」などとありがたがるはずなのに、こう連日不順な天気ではむしろ夏を返せと言いたくなります。

私の仕事でいうと、今年の8月はまるで1ヶ月夏休みを取ったかのように、実に動きが少ないままに終わってしまいました。
進めたい仕事もありました。完遂するはずだったこともありましたが、どれも消化不良のままです。
なぜこうなった? と色々振り返るのですが、あまりまともな分析に至りません。

先ほど触れた夏の天候不順くらいしか、8月の不調の原因が見当たらない。
仕事の低迷を環境のせいにするわけにはいかないし、それをやってしまうと前に進まなくなるので、もう一度原因を追求するわけですが、そこにもまた隘路が待っている。
こういうとき、私は「忘れる」という究極のビジネスツールを使うことにしています。

覚えていた方がいいことがあるのと同じくらい、忘れた方がいいことが、人生にはあります。
ところが、人間、持っていないものを得ようとするのは日常でも、持っているものを捨て去ることを日常にはしていません。
また、これまで受けた教育からしても、何かを得るように努力せよと言われたことがあっても、何かを捨て去れと言われることはそう滅多にない。

つまり、獲得することよりも放棄することの方が困難であり、覚えることよりも忘れることの方がはるかに難しい。そのため「忘れる」には、それなりのスキルが必要だというのが私の見解です。
私のやり方はだいたいこんな感じです。

1)反省しない
忘れるとは開き直ることでもあります。
従って、反省をやめてしまうこと、過去を振り返らないことがポイントだと考えます。

2)努力しない
これも開き直りですが、努力するのをやめます。
要は制御不能なことにやきもきするのはやめて、他のことをやろうよと。雨が降り止むのを待つ間、グランドには出ない。練習は中止です。

3)感情に結びつけない
感情的なことほど、記憶として脳みそに沈着します。
従って、起きてしまったことに感情を付帯しないことです。まるっきりマシーンになって起きてしまったことを冷静に見ます。もっと簡単に言うと、くよくよしない。

4)今までと違うことをする
リズムを変える、習慣を変える、滅多に会わない人に会う、いつもとは違う経路を使う、異なる経営課題に取り掛かるなどなど。新しい発見や気づきを自分に与えて「目先」を変えます。

5)忘れていたことを思い出す
原則に戻るという言い方もできます。忘れるためには違うことを思い出すのは効き目があります。放置したままの長期課題はないかとか、夜10時以降に食べるのはやめるとか、そういうことです。

そんなこんなで、気分を変えるわけですが、やはり時節というのは、忘れるきっかけをくれるものです。
もう月も変わったことだし、先月のことは忘れよう。
とまあ、こんな感じで9月をスタートした次第です。