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丸の内

ブログを開始したころは、まさか自分が丸の内と違う場所で働くようになり、それでも「丸の内で働く社長」という場を残したままにして、たまに思いついたようにそれを更新し、さらに数年後に再び丸の内で働くようになって、「丸の内で働く」というところについては結果として間違っていないという状態に復活するとは思いもよりませんでした。
しかし、いまは丸の内で働く副社長といったほうが、現状の立場を正確に照らしているわけで、その意味でいまだにこのブログが昔のままで存続していていいのかという疑問は多少残っています。

経緯が多少複雑であるために、説明するのが面倒だというのが正直な気持ちです。それでも断片ながらこのブログを通じて近況をお伝えしておこうと考えた次第です。
(というのは、開店休業状態は「よろしくない」という指摘を受けたためです)

昨年の12月22日ですが、私、オープンハウスの取締役副社長を拝命しました。
このオープンハウスという会社はとても勢いがあって、売上も利益も信じられないくらい成長しています。
今期の予想業績は売上2400億円で経常利益240億円。
いまどき、不動産という成熟市場にあって、なんと前年比30%以上も伸びるという驚異的な会社です。
(第1四半期だけみると、売上が2倍で営業利益は3倍……もうかなりたまげます)

オープンハウスの荒井社長とは1年強前に知り合いました。
そのストイックな仕事ぶり、強靭な組織の作り方、戦略の徹底はそう簡単に真似のできるものではなく、ただ感心するしかなかったのですが、昨年後半からお誘いをいただいて、急な形ではありましたが、年末の株主総会で正式に承認をいただいて仕事を開始しました。

なぜいまさら副社長なの? といった質問を結構いただきました。
これについては、えらく青臭いのですが、オープンハウスを1兆円企業にしたいという荒井社長の強い意欲に久々に刺激を受け一緒にやらせていただきたいと思ったからということに尽きます。
売上1兆円を突破するというチャレンジはなかなかできるものではありません。
実際、過去私も社長として「次は1兆円」などと口に出したことがありましたが、口に出しつつそれが達成できるとは思っていなかった。
情けない話ですが、次の目標をどう定めていいかわからず、取り敢えず次の大台というので1兆円と言ったまでのことでした。
その意味で、現実味を持って1兆円を目指すチャレンジができることは、マジですごくやりがいを感じています。

何をするんですか? とも聞かれます。
先月くらいまでは「さあ、何するんでしょうかねぇ」などとはぐらかしていましたが、いよいよそうもいかなくなってきました。
しかし、実際のところ、いま現在、具体的な役務はありません。
つまり、自分でやることを探し、必要じゃないかなと思うことを一つずつ実行に移しています。

これはもう本当に、荒井社長の「人使い」のうまさとしか言いようがありません。
具体的に役務範囲を特定してもらったほうが、私としては楽ができます。
フリーハンドで具体的役務なしとなれば、際限なくやることが生まれます。
私も経営のプロを自認してやってきましたので、成果を収めなければいる資格がないと思っています。ですので、この際限のない範囲の中で、最大にやって成果を出すしかありません。
つまり、私を働かせようとすれば、フリーハンドが一番なのです。
(ちなみに、フリーハンドで人を使うというのは、経営者として相当自信がなければできないことだと思います。この点でも、私としては感心するしかありません)

さて、オープンハウスでの日々は常に緊張の連続です。
一種のプレッシャーです。
これは想定していたことではありますが、やはり知らない組織で知らないビジネスについて語るなど、よほど面の皮が厚くなければできません。
おかげさまで、私の場合、多少面の皮が厚いので、どうにか図々しくやっていますが、やっぱり正直に言えばおっかなびっくりです。
こういうおっかなびっくりを繰り返す日々が、ちょっと楽しい。そんな毎日をここのところ過ごしています。
それにしても、常にパラダイム転換ばかりです。自分の常識がどんどん覆されている。俺って柔軟だったんだなと思う今日この頃でもあります。